姫路独楽の匠

西沢 昌三

姫路独楽

 男の子の遊びといえば、「めんこ」と「こま」でした。 特に「こま」は、こま
をぶつけて勝負をしたり、まわる時間を競ったり、紐の上を綱渡りさせたり
、手の上に乗せて遊んだりと、多彩な遊びがありました。

 姫路独楽は、明治初年頃の創始と言われています。 最盛期には中
国地方瀬戸内海沿岸一帯で広く販売され、各地の子供達に親しまれ
ました。 独楽の種類は、文七独楽(朝鮮独楽)、ぶち独楽(鉄輪付き)
、紋入り独楽、源水独楽、鬼独楽、糸引き独楽など10種類位ありま
す。

 姫路独楽は、「飾り独楽」で赤と緑に塗った大きな「鬼独楽」一対を箱
に入れ、松竹梅の飾り物を添えて正月の床飾りとする風習があります。
男児出生の初正月の祝儀として、「飾り独楽」を贈る風習があり、子供
が早く独り立ちすることを念じる意味があったようです。

 姫路独楽は、現在 西沢 昌三さんが唯一の生産者で父親の護一
さんから独楽作りを覚えました。 父親の護一さんは、「源水」という号を
持つ名人だつたそうです。 伝統工芸の後継者難は、どこでも言われま
すが姫路独楽は後継者が1人いて、現在修行中だそうです。

姫路独楽の行程

 姫路独楽の材料は、エゴの木(通称チシャ)昔は播磨地域でも材料が
あったそうですが、現在は但馬のほうで材料を探しているそうです。独楽
の材料としてエゴの木は、ねばっこくて、目が詰まっていて割れにくい特
徴を持ち、独楽を作るのに適しています。 ただエゴの木は、まっすぐ育た
ず曲って育つ為切り口も円ではなく、独楽を作るのに無駄が多いとの事
でした。

   1. エゴの木を十分に乾燥させる(5年−10年くらい)
   2. 丸鋸で乾燥した原木を「寸法切り」する。
   3. もう一度乾燥する。
   4. 寸法切りした原木の切り口に鉛筆で型どりをする。
   5. 帯鋸で「あらどり」をする。
   6. 旋盤で「粗挽き」をする。
   7. 粗挽きした材料をロクロに取り付ける。
      (この時ブレが無いように注意深く取り付ける。)
   8. 独楽の表(上部)を挽く
   9. 独楽の裏(下部)を挽く
  10. 芯棒を入れる穴を「アナクリ」であける。
      (ここが一番気を遣うところです)
  11. ロクロから独楽をはずして芯棒を差し込みます。 
      独楽の出来上がり
      
      飾り独楽は、この後彩色します。

 生産に使われる独特の「ロクロ師のハモノ」シャカ、ヤリ、カンナは、全
部ハガネの丸棒から、焼いて、たたいて道具をつくります。

姫路市書写の里
美術工芸館 工芸工房

 姫路書写山のふもとに、姫路市書写の里「美術工芸館」があります。2
階には、工芸工房があり「姫路独楽」の実演(毎週土曜日・日曜日・祭
日)には、西沢昌三さんにも会う事が出来ます。

 姫路独楽に絵付けをする体験も出来ます。 左の写真のようなおもしろ
い絵付けにも挑戦して下さい。

   お問い合わせ
      姫路市書写の里「美術工芸館」
      AM10:00−PM5:00
      休館日 月曜日(祝日のときは翌日) 
            12月25日−1月5日
      兵庫県姫路市書写1223番地
      TEL 0792-67-0301


l 兵庫県の伝統的工芸品TOPへ l